何年ぶりだろう。
確かに、こんな風に学校中に何かをさがすのは懐かしいことである。
あ、こういう事あるはアッタと頷きながら微笑ながら悲しむながら歩く。
夜の学校は、静かで賑やかな場所で、穏やかで怖い場所。
天にはやはりいつものことながら月、星の煌きは火のごとく校園を侵食する
街灯、または街の喧噪に遮断され、傳芸に居た時のようには見えない。
散步にはもってこいの冷風、感慨するには馴染ますぎる風景。
カップル達がコッソリ抱き合って愛を語り合ったり合わなかったり、サークルか学科の生徒会の学生たちがダンスの練習をしたりゲームを遊んだりしている。
見慣れた寂しい温かい景色。
私は昔も今もいつものように、一人で赤い夜をただただッタッタッタッタと踏破していく。
それは君のタメでもなくぼくの為でもなく、ただ夜を醉うためのヨルノサガシモノ。
宵に迷いながら醉い風に身を任せ、根気よく探してみる。
鼻歌を唄いながら暗い白い白銀の影をよく視てみる。
それでようやく見つかったのは、何の変哲もないそれは…
一杯のコーヒーと、
それもやはり一杯の、
君の顔に浮かぶ幸せ一杯の笑顔。
それは夜の探し物。
幾千の月夜に埋まれてゆく、一夜の物語。
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